歯周病|山本歯科|豊中市東泉丘桃山台駅の歯医者・歯科

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歯周病

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歯周病とは?

歯を支える周りの組織(歯周組織)の病気を歯周病periodontal diseaseと言います。鏡で見ると歯の周りは歯ぐきしか見えませんが、実はその下に歯槽骨があって歯根をしっかり支えています。歯周病の初期段階では目に見える歯ぐきが炎症を起こしているだけで、これを歯肉炎gingivitisと言います。この段階では見た目が赤く腫れていたり、歯磨きのときに血が出たりする程度です(図1)。しかしそれを放置して進行すると次の段階、つまり歯周炎periodontitisになってしまいます。炎症は歯ぐきの下の歯槽骨まで及んでいて、骨が溶けていきます(図2)。「骨が溶ける」というと痛みがでそうな気がしますが、急性化しない限り痛みを伴うことはありません。そのため気づかないうちに進んでしまうサイレント・ディジーズsilent diseaseなのです。

歯周病図1図1

歯周病図2図2

歯周病検査では何をするのか?

血圧を測らないで高血圧治療ができないのと同じように、歯周病の検査・診断をせずに歯周病の治療はできません。どのような検査をするのかを大まかに説明します。

1.プロービング(probing)

歯周病図3図3歯周病図4図4

「歯の周りの溝の深さ」をプローブprobeという細い棒で測定します(図3)。健康であれば1~3㎜ですが、それを超えると歯周病の疑いがあります。歯根が複数ある奥歯では、その分かれ目(根分岐部)を別のタイプのプローブで確認します(図4)。また深さと同時に「出血するかどうか」も記録します。出血するようなところは炎症があったり、歯周病菌が潜んでいる可能性があります。

2.歯ぐき下がり(歯肉退縮)gingival recessionの検査

歯ぐきが下がると見た目が悪くなるだけでなく、露出した歯根が虫歯になったり知覚過敏を起こすこともあります。歯ぐき下がりは歯周病だけが原因ではなく、単に磨きすぎで起こることもありますので診断が必要です。

3.歯の動揺度 tooth mobilityの検査

歯周病図5図5

「歯の揺れが強い」と歯ぐきの下の歯槽骨が溶けている可能性があります(図5)。また歯ぎしりや食いしばりのように、歯に負担がかかり過ぎているのが原因のこともあります。

4.X線写真検査

歯周病図6図6

炎症が歯槽骨にまで及んでいないかどうかを調べます(図6)。歯周病以外にも歯根の炎症や破折、隠れたところの虫歯もチェックします。

以上の検査以外にも、歯肉の量を測定したり、プラークの付着状況を確認することもあります。これらの検査は、初回時と治療後の再評価時、メインテナンス時に行いしっかり監視していきます。

歯周病治療periodontal therapy(治療内容)

検査・診断に基づいて歯周病の治療をしていきます。

歯肉炎gingivitis(歯ぐきだけの炎症)の治療

歯ぐきに限局した炎症である歯肉炎は治療により元の健康な状態まで回復可能です(図7)。基本は細菌の塊であるプラーク(細菌バイオフィルム)を歯の周りから徹底的に除去することです。医院では歯科衛生士が除去しますが、家や職場でも歯磨きで清潔にしてもらうことが大切です。日ごろの歯磨きが不十分だとなかなか健康を取り戻すことができません。歯石は細菌やその毒素の温床になりますので、歯科衛生士が専門的に除去していきます。

図7:治療前図7:治療前

図7:治療後図7:治療後

歯周炎periodontitis(深部まで進んだ炎症)の治療

歯周病図8図8

炎症が深部まで及び、歯ぐきの下の歯槽骨が溶けている歯周炎では、歯科衛生士によるクリーニングも徹底的なものになります(図8)。

スケーリング・ルートプレーニングscaling/root planing(SRP)と呼ばれるクリーニングは歯周治療で最も難易度が高く、トレーニングを受けた歯科衛生士でなければ上手くできません。これを口の中を分割して順番に行っていきます(図9)。

図9:治療前図9:治療前

図9:治療後図9:治療後

SRPでコントロール不可能と判断した場合、外科処置に進むこともあります。徹底的にSRPするための外科や失った骨を再生させるような外科(図10)がありますが、それらに適した状況(適応症)が必要ですのであらゆる患者さんにできるわけではありません。

図10:治療前図10:治療前

図10:治療後図10:治療後

歯槽骨がほとんど無くなってしまうと抜歯になることがほとんどです。そうなる前に治療を開始することが望ましいです。喫煙のような生活習慣、肥満や糖尿病のような生活習慣病は歯周病が重症化しやすいことがわかっています。歯周治療をきっかけにして禁煙を始めたり、生活習慣を見直すことは口の中だけでなく長く健康に暮らしていくことに結びつきます。

歯ぐき下がり(歯肉退縮)gingival recessionの治療

磨きすぎで歯ぐきが下がってしまったような場合は外科処置(根面被覆術)で改善可能な場合があります(図11)。

図12:治療前図11:治療前

図12:治療後図11:治療後

ただし外科処置で改善しても、また磨きすぎる癖が始まると元に戻ってしまうことがありますので(図12:11年後)、メインテナンスで監視していく必要があります。

図13:治療前図12:治療前

図13:治療後図12:治療後

図13:その後図12:11年後

外科処置をせずにそのまま歯ぐき下がりを監視していくことが多いですが、その場合も露出した歯の根っこが虫歯にならないよう、虫歯リスクの管理やフッ素の応用が必要となります。

歯周病治療は「治療したら終わり」にはなりません。その後のメインテナンスで再発や進行を防いでいくことが“治療以上に”大切です。歯周治療にメインテナンスフリーという言葉はありません。